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- 子どもとの約束は、親が思っている以上に難しい
- 「続ける・やめる」を自分で選ばせることも大切
- 30日チャレンジをやめた後も、自分からピアノに向かう姿があった
今日も家族と、できる一歩を。
ピアノを30日間続けると500円
お姉ちゃんには、ピアノの「30日チャレンジ」というものがあります。
ピアノの練習を30日間連続で行うと、500円もらえるというものです。
9月はピアノの先生との約束ではなく、妻との約束で取り組んでいました。
夏休みなのでチャレンジを辞退した8月も含め、ここ数か月はほぼ毎日ピアノの練習をしています。
そのため、シルバーウィークまでは順調に進んでいました。
ところが、連休最終日。
家族5人で出かけていたモクモク手づくりファームから帰宅した日、さすがに疲れていたのか、お姉ちゃんはピアノの練習をしないまま寝てしまいました。
家族5人でのお出かけは楽しい反面、親も子どももなかなかの体力を使います。
特に今回は朝早くから動き回っていたので、「今日はもう寝ても仕方ないかな」と私は思っていました。
翌朝、妻とこのことについて話しました。
「泊まりがけの旅行から帰った日にピアノを練習するのは、体力的にきつかっただろう」
これは私たちも分かっています。
ただ、旅行に行く前、お姉ちゃん本人は「モクモクファームから帰ったらピアノをやる」と言っていました。
そこで、
「もしあとから『忘れていたけど、大目に見てほしい』というような申し出があれば、それは認めよう」
ということにしました。
実は以前にも似たようなことがありました。
そのとき妻は、すべてを「もういい!」と放り投げようとするお姉ちゃんに、
「ダメもとでもお願いしてみたらいい」
「こういうときは、こういうふうに言ってみたらいい」
と教えていました。
今回は、本人から何か言ってくるかもしれない。
そんなふうに思っていました。
「昨日、ピアノやった?」
その日の朝、お姉ちゃんはピアノのことについて何も言わずに学校へ行きました。
そして夕食後。
食卓にあるお姉ちゃんのデスクカレンダーの、昨日の日付に「ピアノの練習をやった」という印がついていることに気が付きました。
「あれ?」
今日の練習を、間違えて昨日のところに書いたのかなと思いました。
そこで、お姉ちゃんに声をかけます。
「今日、ピアノの練習やった?」
「まだ。」
「昨日、ピアノの練習をやったっていうことになってるけど、これは?」
「昨日練習したけど、書くの忘れてた。」
「モクモクファームから帰った日だよ。いつやった?」
「お母さんがお風呂のときにやったもん。」
妻と顔を見合わせます。
昨日、ピアノを弾いていないことは、私たちには分かっていました。
私自身、昨日はピアノをするのは厳しいだろうと思っていました。
だからこそ、
「明日に回してほしい」
と言い出すのかなと思っていたのです。
本人がピアノを練習するのか。
それとも、「今日はできないけど、明日から続けるから許してほしい」と言うのか。
私は少し気にしながら過ごしていました。
それなのに、
「やった」
という答え。
勘違いしているのか、それともやったことにして押し通そうとしているのか。
そこまでは分かりません。
ただ、実際には練習していないので、間違っているのはお姉ちゃんです。
「昨日、お姉ちゃんがピアノの練習するのは大変だろうなと思って、お父さんも気にしながら過ごしてたんだよ。それで、お姉ちゃんがピアノを弾いていたら気が付くはずだよ。お父さんもお母さんも聞いていないってことは、ピアノを弾いていないってことだと思うけど」
それでもお姉ちゃんは、
「やったと思う」
と、まだ引き下がりません。
「もし、お風呂に入っているときにピアノを弾いたとしても、お風呂でもピアノの音は聞こえるよね。お父さんは聞いた記憶はないよ」
すると、ようやく、
「やってないかもしれない」
と認め始めました。
「30日チャレンジやめる!」
練習したのか、していないのか。
ここをうやむやにしたままでは、30日チャレンジそのものも、うやむやになってしまいます。
そこで、もう少し話をした後、確認しました。
「昨日はピアノの練習はしていないってことで間違いない?」
お姉ちゃんは、ついにうなずきました。
私は、このあと、
「じゃあ、昨日の分は大目に見てほしい」
とお願いしてくるのかなと思っていました。
ところが、お姉ちゃんから出てきた言葉は、
「30日チャレンジやめる!」
でした。
そして、大号泣。
お姉ちゃんは外ではそんなことはありません。
でも、家で泣き出すと、大声をあげて長時間泣き続けることがあります。
最近は、私も妻も、お姉ちゃんが泣き出したときには少し距離を置き、泣きやんで落ち着くまで、あえて声をかけないようにしています。
今回も20分ほど泣き続けたでしょうか。
しばらくして、改めて聞きました。
「30日チャレンジは本当にやめる?」
「やめる!」
その後、さらに時間を置いてから、もう一度聞きました。
「少し前、お母さんに、泣いても何も良くならない。こういうときはどうするかってことを教えてもらったと思うけど。覚えてる?」
お姉ちゃんはうなずきます。
30日チャレンジを続けるという選択肢もある。
昨日の分について「大目に見てほしい」とお願いすることもできる。
それでも本人が「やめる」と選ぶのであれば、親としてはその選択を尊重するしかありません。
一方、妻のほうは、
「つい最近、こういうときはどう言うか練習までしたのに、何も身についてない」
と怒り心頭。
そのままお風呂に入りました。
私はというと、選択肢があることを確認して、そのうえで本人が「やめる」と決めたのであれば、もう何も言うことはないかなと思っていました。
30日チャレンジをやめても、ピアノは続ける
しばらくして、お姉ちゃんが落ち着いたところで聞いてみました。
「怒るためじゃなくて、聞きたいんだけど、30日チャレンジを続けようとするんじゃなくて、やめることにしたのはなんで?」
すると、
「ピアノの練習やりたくない。」
とのこと。
なるほど。
数か月、ほぼ毎日練習していても、ピアノの練習そのものが好きになったわけではないようです。
30日間続ければ500円がもらえる。
そのために頑張ってきたけれど、今回をきっかけに「もうやめたい」と思ったのでしょう。
そんなお姉ちゃんに、我ながら厳しいなあと思いながら、できるだけ優しい声で言いました。
「30日チャレンジをやめるのは分かった。でも、だからといって今日ピアノの練習をしなくていいわけじゃないよね。」
お姉ちゃんはうなずいて、ピアノに向かいました。
そして翌朝。
お姉ちゃんは、朝からピアノの練習をしてから学校へ行きました。
さらに、それから数日。
こちらから「ピアノやりなさい」と言わなくても、一日一回、自分からピアノに向かって練習しています。
30日チャレンジを続けていたときよりも、むしろ親が声をかけなくなったことで、自分から練習するようになったようにも見えます。
「これなら、『おまけしてほしい』と一言言ってくれれば、30日チャレンジを延長してもいいのになあ」
と思うのですが、お姉ちゃんにはお姉ちゃんで、何か思うところがあるのでしょう。
親としては、つい「せっかくここまで続けたのだから」と思ってしまいます。
でも、子どもにとっては、30日間続けることそのものよりも、自分で考えて「続ける」「やめる」を選ぶことのほうが大切な場面もあるのかもしれません。
そして、チャレンジをやめたからといって、これまで積み重ねてきたものが全部なくなるわけでもありません。
数か月間、毎日ピアノに向かってきた経験は残ります。
今回のことで、お姉ちゃんがピアノを好きになったのかどうかは分かりません。
それでも今のところ、自分からピアノに向かっています。
親が決めた「続ける」ではなく、自分で選んだ「続ける」になったのなら、それはそれで意味があるのかもしれません。
これからまた、「もうやりたくない!」と言う日が来るかもしれませんが、そのときはそのとき。
小学校に入って、勉強や友達との関わり、習い事など、親がすべて決めることが少しずつ難しくなってきました。
7歳のお姉ちゃんと一緒に、親のほうも「どこまで口を出すのか」を練習しているところです。
今日もなんとかやってます。ではまた。
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